最近、奄美料理がブームという。本当に美味しい奄美料理を食べてみたい。そんな皆さんの願望を実現すべく厳選したのが今年の6月にオープンしたばかりの「まれまれ」。島唄のライブも聴ける新しいタイプの奄美料理店だ。店名の「まれまれ」とは奄美の言葉でお久しぶり、お元気ですかという意味。奄美の人たちを故郷に帰った時のように迎えたい、奄美に興味を持った人たちを奄美料理でもてなしたいとの思いを込めて命名された。「主な食材は現地から取り寄せて、お袋の味をそのまま再現しています」と話すのは、奄美出身の店長・屋宮真之介さん。店を仕切るのは姪っ子夫婦、仕込みは奥さん、そして息子さんも厨房に立つ正真正銘の奄美の家庭料理だ。
奄美料理といえば、「鶏飯(けいはん)」。ご飯に鶏肉や錦糸卵、椎茸、パパイヤの漬け物などをのせ、あっさりとした旨みのある鶏がらスープをかけたもの。各家庭ごとにいろいろな味があるそうで、おのおの、好みの具材や薬味を入れればOK。要は気取りのない家庭料理なのだ。と同時に、「人をもてなすときに必ず作る料理」でもある。昭和43年に、今の天皇陛下が皇太子のとき、奄美を訪れた際に鶏飯を召し上がったことで全国的に知られるようになった。今年、農林水産省が実施した郷土料理人気投票で全国165品中、第2位を受賞した今注目の郷土料理だ。コースを選べば、「塩豚」「豚足」「里芋」「島野菜」など、奄美の味を堪能できる。どれもボリューム満点なので、最後の鶏飯にたどり着けない人もいるとか。ひと通り食べたい人は、注文の仕方をお店の人に相談すべし。
まれまれでは、料理だけでなく、奄美文化の普及にも力を入れている。月に1回、地元奄美から若いアマチュアミュージシャンを呼んで島唄ライブを開いている。「私たちは子どもの頃、奄美の言葉を話すなと教育された世代です。でも時代が変わって、今は奄美文化を後世に伝えようという動きがあちこちで起こっています。昔の奄美言葉を理解できる人が少なくなっているので、島唄を通して若い人たちに奄美の文化を身につけてもらえればと思ってライブを始めました」。島唄は、琉歌とは似て非なるもの。最も大きな違いは唄い方で、裏声を多用する。唄遊びから派生したものなので、掛け合いで展開していく。譜面もないので拍数も唄者の気分やその場の雰囲気でどんどん変わる。歌詞の意味は理解できなくても、唄者と聴衆が一体となってボルテージが上がっていく。しばらくの間、奄美大島にいるかのような錯覚に陥った。
お店のスタッフは、みな元気で、親切だ。料理や黒糖焼酎の選択に迷ったり、奄美の文化について知りたいときは、気軽に相談するといい。これまで奄美に縁がなかったという方も、ぜひ一度足を運んでみてはいかがだろう。






